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「――――、ですから、―――なのであって、」


広い会議室に人の姿があった。
『人』と言ってもその姿は多数である。

ただ、不思議なのは――――、中心人物が女、だという事だった。



              

「…そっか、今日は、葵の命日だったっけね、」

日本人らしい黒髪に漆黒の瞳の青年が少し哀しげにそっと呟いた。

「……なら早く花買ってお墓参り行こう。……葵、待ってる。ほら、昴…お金預けるから買ってきて」

『昴』と呼ばれた漆黒の青年は『そうだね、』と若干微笑みつつ蜂蜜色の髪色の青年――、レンから金を預かり、外へ出て行く。
暫くすると、レンもその部屋を出た

「、他は何か葵に捧げるものはあるのか?」

「知らねえ。…お前は何かあんのかよ?ソルト」

「…まあ、色々とな。秦、お前も考えておけ」

お互いに『ソルト』、『秦』と呼んだ青年達は別れ、そしてその部屋を出る。

鎮まる会議室。

そこに一人残ったのは先程の中心人物の女。

「………………ごめんなさい、助けられなくて、ごめんなさい葵さん」

名前を呼び俯く女―――、蓮漣麗。

「だけど、貴方の死を無駄にはさせない、だって、」


                        此処にはいない貴方は、霊となるのでしょう?




お題提供:http://www6.ocn.ne.jp/~promessa/

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2010.07.19 21:26
koto
初代、扇羽 琴です!
…うわあ…ry

ルーズリーフに描くんじゃなかった。

*.知ったかぶり。 2010.07.04 22:26

「じゃあな、麗」
 
「次会う時は、完全なる決裂の時だ」

そう言って、祇徒は出て行った。

                                  
                 ったかぶり。

「…っは」

祇徒が出て行った後、部屋に1人残されて少しずつずるずると床に落ちていく。

「な、にが“裏に染まりきってない”だ…」

私はただただ人を殺す人間にはなりたくない。
ちゃんと、人の命を尊う人間にもなりたい。

(だから、私がお前のような理想になりたくはないんだ、祇徒)

確かに、好きだった。
小さいころから、あの夜の日まで。

だけど、だけど

(、恋慕というものは、どうもしつこい)

1度好きになって。そして別れて、そこでその思いは封じ切る。
それを決意して今までやって来たのだけれど。

(…どうして、私は、祇徒を好きになってしまったのだろう)

自然と瞳からは涙があふれ出て、それを床が受け止めていた。

「…っ…っく、…」

お前は、私のことを知ったかぶってる。

何かを傷つけて、失って。
それを平気になってしまうようなやつに、

ねえ、祇徒。

私はお前のようにはなりたくはないんだよ。




 


懐かしい夢を見ました。
それは温かく、懐かしい夢。

幼い私に、幼い秦くん。
それに亡くなった母さんと父さん。
皆が皆、幸せそうに笑っていた。

幼い私の前にある、若干大きなバースデーケーキ。
そこには“Buon Compleanno”おめでとうとイタリア語で書いてあった。


ケーキに立っている蝋燭ろうそく
その蝋燭を消そうとした瞬間―――、その夢はぷつり、途切れてしまった。





「――――……夢、」

瞼を開けると目の前には私の部屋の天井。
重い身体を起こして背伸びをするとドアの向こうからコンコン、という音がなって、ドアが開いた。

「おはよう、ボス」

「…おはようございます、葵さん」

にこり、として入って来たのはいつもならば秦くんなのだが、今日は葵さんだった。

「どうしたの?眠れなかった?」

「いえ、…ちょっと懐かしい夢を見まして」

そっか、と葵さんは笑って「じゃあ着替えて食卓へおいで」と言い私の部屋を後にする。

(…着替えましょうかね…、…でも、どうしてあんな夢が、…)

私はそんな疑問を覚えながらも着替え、食卓へ向かおうと思った――。



食卓で私が見たものはケーキ。
ケーキのチョコレートプレートにはBuon Compleannoの文字。
その文字に続くのは、――――“Lei”

「…あ…………!」

今日は、私の誕生日だったのだ。

「姉さん、おめでとう!」

秦くんの声、そして渡された小さな箱。

「おめでとう、麗」

優しいソルトさんの声に、受け取った大きな箱。

「おめでとう、ボス」

にこり、と笑う葵さんの声、渡された小さな箱。

「おめでとう!麗ちゃん!はい、これ!」

いつものように明るい昴さんにもらった、大きなリボン付きの袋。

「…おめでとう、麗様」

レンさんに渡された、小さな箱。

これらは、誕生日プレゼント。


「……!あ、りがとう、ございまっ…」

「ね、姉さん?」

寄って来た秦君に背中を擦れながら私は皆にありがとう、と伝える。

私は、

「私は幸せ者ですね…っ!」

 


                    ありがとう、生まれてきて良かったです  

さよなら、過去の僕 2010.04.30 23:04


「ようこそ、桐城昴さん!我がヴェンタッリオファミリーへ!」

あの声は月日が流れた今でも忘れない。
明るく、嬉しそうな声。
僕は「ああ、この子はマリア様みたいだ」と思った。




僕の家庭状況は最悪だった。
父の日常的暴力と、それを受ける母の泣き声と叫び声。
僕は1人っ子で、ただただ、それに怯えて、泣いて、クローゼットの中へ隠れていた。
そして、父の母に対する暴力が終わってクローゼットから出た僕がまず最初にするのは母に対する哀れみだった。

でも、その度に

「あんたなんて、」

という暴言を吐かれていた。
子供だった僕は傷付いてたけれど、いつか暴力が起こる以前の優しい両親に戻ることを夢見て、
必死に、我慢して我慢して我慢して…。


とある、僕が17歳になった頃。
学校から帰って玄関を開けると、母が沢山の紙やら封筒やらを床に散らばせて床に座り込んでいた。

「…母さん、?」

ひらり、と僕の方へ落ちていた紙を拾って読んでみる。
――――そこには、

「嘘、でしょ?」

父からの離婚届、財金全てを持って家を出て行った手紙。
母はただ、ボウッとしていただけだった。

「ねぇ、母さん」

返事は無かった。あるのは、放心状態の母の姿のみだった――――。


それから、数日後。
僕は孤児院に引き渡された。
そこはとても優しい人々だったけれど、僕はたった1ヶ月でその孤児院を出た。


だけれども、住んでいた家は差し押さえられてもう住めない。
食糧はない。お金もない。

(どうしよう、)

ろくに食事を摂ってなく、最早衰弱状態の僕。
そんな僕を見つけたのは――――

「……だ、大丈夫ですか!?」

「…え…?…」

必死の顔を少女だった。
そして、僕は目を閉じたのだ。
 

「ん………」

目を開いてまず見たのは白い天井、ふかふかのベッド。
そして隣でうつらうつらと眠気と闘ってる助けてくれたと思われる少女。

「あ、の…」

「…は、い……?…ああ!起きられましたか!?どうですか、御気分は!?」

起きたと思ったらすぐに状態を聞いてきた少女に僕は内心びっくりする。
そんな少女は「あ、」と声を出すと自己紹介を始めた。

「私は蓮漣麗と申します。えっと、ヴェンタッリオファミリーというマフィアのボスをしてます」

「マフィア、?……あの、ほ、ほんも、の?君が、ボス?」

「ええ。やはり驚かれた。皆さん驚くんですよね」

クスクスと笑う少女…否、麗ちゃんが大人っぽく感じられた。
僕より歳は明らかに下の様なのに。

「現在、幹部は4人。私を合わせたら5人です。」

…麗ちゃんは不思議な感じを持っていると思った。
なんだか、こう、上手く言えないけれど。
包み込むような――――

「…それで、お願いがあって」

「え、?」

「私のファミリーの“霧の守護者”になってほしいのです」

僕は一般家庭出身だから、マフィアのことなど全く知らなかった。
人を殺したりしたこともない。
だけれど、

麗ちゃんと、一緒に居たいと、ここが僕の居るべきところだと、直感で思った。

「本当、にいいの?」

「ええ、勿論!」

ニコリ、と微笑んで、冒頭の言葉を麗ちゃんは放ったのだ。

僕は、過去の記憶を捨てることにした。
昔の“桐城昴”は殺して今の“桐城昴”を生かせる。

僕は、新しく生まれ変わるんだと。

そう決心したのだった。


                  さよなら、過去の僕。

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