少女は倒れた、紅い色の中心に

それは、あの綺麗で上品な薔薇の色ではなく、

上品な紅い色ではなく少し黒ずんだ血の中に。


周りの“人”だった骸は音もなく倒れて。

その中心に生き残った私は息を途切れ途切れにしながら。

私は大事なあの人のために、どんな宝物よりも大切なあの人の為に

私はあの人を護るためならば、この生命、捨ててもいい。

だからたとえ、この生命が彼に滅ぼされても　私はそれでも構わない



だけれどお願い、お願いですから


「もう一回だけ、」



どうか、お願いですから

もう１回だけ、


「あなたの笑った顔を見せてください、ね？ボス」


私はたとえこの身が朽ちても

貴方と一緒に居ます、ボス。

大好きですから



そして、私は血だらけで重い身体を膝から落として

ゆっくりと瞼を閉じた。